わかふじ国体バレーボール競技

〜 山口県勢の健闘 〜

第58回国民体育大会観戦レポート

平成15年10月26日27日 

於 静岡県三島市・伊豆長岡町

わかふじ国体出場を果たしたのは、全6種別のうち成年男子9人制と少年女子の2種別であった。3種別以上の出場に期待していたが、国体を控える岡山県や選手層の厚い広島県の壁は厚く、他の種別では出場が果たせなかった。

長期間の事前合宿を組んだ少年男子(宇部商業高校)は、合宿先からブロック予選に駆けつけたが、

予想外に壁が厚くチャンスがつかめなかった。すぐに合宿に戻った姿は、来年への布石であろう。

ブロック2位にとどまっている成年男子6人制は、大学チーム(東亜大学・山口大学)からレギュラーを揃えて打倒Vリーグの心意気を見せたものの広島県(JTサンダース)に一蹴された。

チャンスのあった成年女子9人制も、惜しくも出場権を逃した。強化費も充分でないなか、監督・コーチはかなりの持ち出しで遠征に出かけており、申し訳ない気持ちである。何とか勝ちあがって、強化費も増額できればと切に願っている。

なお、公開競技であるビーチバレーには男女アベック出場を果たしており、今後の活躍も期待されることが、山口県にとっては明るい材料である。

成年男子9人制は、日本化薬を中心として日立笠戸などから補強する選抜チームを結成し、中国ブロック大会で1位を勝ち取った。宇部商業高校出身者も多くチームワークがよく、攻守ともにバランスの良いチームである。成年男子・女子共に選抜チームで強化を図っているが、練習量も豊富であったことが予選突破の鍵であったように感じる。

今後もトライアウト方式など選考会のあり方に工夫をこらしつつ、6人制・9人制のレベルアップを考えたい。とくに6人制男女は、大学チームを主体にするしか方法がないのが現状であり、社会人を組み込むことが大きな課題である。

成年男子9人制は、1回戦で国体開催直前の埼玉県と対戦した。1セットは堅さが見られ、終盤で引き離されたが、2セットめを取り返しフルセットに持ち込んだ。埼玉県には疲れも見え、本県には大きなチャンスと思われたが、高さのあるサウスポーエースにボールを集められ惜しくも敗れた。山口県からも応援の方が駆けつけられたが、あと一歩及ばなかった。

谷村監督以下、選手ならびにスタッフの皆さんには、来年度につながる試合であったといえよう。

少年女子は誠英高等学校単独チームである。三田尻女子高校時代に全国制覇を成し遂げ、その圧倒的強さの裏には、揺るぎない自信と大いなる可能性を秘めた本県バレーボール界を代表するチームである。

今年はブロック予選がないため47都道府県の代表がそろった大会であった。大会会場でも山口県チームの評判は高いようであった、不安材料は1・2年生チームであることがあげられた。ベテラン河村監督にも下級生ばかりということが、どのような結果になるのか予測のつかない面もあろう。

 初戦は九州勢の大分県(東九州龍谷)である。同チームは佐賀県に1セット落としての勝ち上がり、

例年のような力強さには欠けると聞いていた。ところが、大分県はルールぎりぎりの軟攻で、ほとんど打ってこない。リズムを崩されて2セットを連取される。観戦する筆者たちも、反則を取らない審判団に不審を感じえない。応援する保護者からも、反則ではないかと聞かれるが、全くの同感であった。全国大会には珍しく一般席のブーイングも、まさにその通りである。

 兎にも角にも後がない。3セットめ、応援に回った3年生から必死の声援もあり、コートの外まで転がり回るファインプレーの連続。感動的な試合運びを見せる。センターやライトの攻撃陣が、セッターの苦しい体勢からのトスを打ち抜く。連続して2セットを奪い返し、5セットに勝負をかける。巧妙なフェイントを駆使した大分県を力でねじ伏せる。とても下級生チームではなく、王者の風格すら感じる最終セットであった。

 つづく3回戦は地元静岡県、体育館を満員にした大応援団をバックに選抜チームが向かってくる。前試合の内容は、決して良いものではなかったため、心配はなかったはずである。

 ゲームが始まると静岡のエースはまるで別人、縦横無尽に力強いスパイクがコートに突き刺さる。ブロックの高さは決して負けてはいないはず、間チャンをきちんと狙って打っている。大応援団にはそれぞれの所属高校の部員たちが、身を乗り出して涙の応援を繰り広げる。コートの中の選手たち、ベンチの選手たちが、1球ごとに腕を振り上げる。山口県にとっては非常にプレッシャーのかかる状況である。

山口県応援席の後ろでも、静岡県の中学生・高校生が声を張り上げての応援を繰り返す。1セットめは中盤まで何とかついていく展開だった。弱気になったアタッカーがフェイントをすると、すかさずリベロが飛び込んでくる。コースを変えてターン打ち、そこにもリベロが入っている。かなりの研究をしてきている。最後にはなすすべがない、空いたところにポーンとボールが落ちる。

 選手の顔色も良くない、タイムアウトで立て直しを狙うが、2セットめも3セットめも静岡のバレーは崩れない。まさかのストレート負けであった。

 この敗戦は、彼女たちを成長させる糧であると信じたい。翌日の応援予定を立てていた筆者も、力が抜けて愕然となった。選抜チーム畏るべし、静岡県の強化策については学ぶ必要もあるようである。

 来年度の国体には、少年男子が出場が決まっている。単独チームにならざるをえないこれまでの状況や、今後の選抜チームの可能性も探りながら、本県バレーボール界の実力向上の秘策を練らねばならないであろう。8年後の国体を見据えて、関係者一同で知恵と勇気を振り絞って、難局ともいえる状況を打破していきたいと考える。

現状維持では将来はないことを肝に銘じて、富士の山を見上げて帰途についた。


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